【冬こそ危険】廃プラスチックの屋外保管で火災を防ぐ!フレコンバッグ保管 4つの鉄則
「冬場は空気が乾燥して火災が起きやすい」ということは一般的によく知られていますが、「廃プラスチックを入れたフレコンバッグの屋外保管」においても、冬特有のリスクがあることをご存知でしょうか?
実は気温が低い冬場でも、廃プラスチックの山から煙が上がる事例は後を絶ちません。
フレコンバッグから出火すると燃え広がるのが早く、消火活動も困難を極めます。
今回は、冬場の屋外保管でなぜ火災が起きるのか、その原因と今すぐできる対策についてご紹介します。
なぜ冬に廃プラスチック火災が起きるのか?
「寒いから自然発火なんてしないだろう」という油断が一番の禁物です。
冬場には主に3つのリスク要因があります。
1. 乾燥と静電気
冬の乾燥した空気は、プラスチック同士の摩擦による静電気を発生させやすくします。
フレコンバッグへの投入時や移動時に発生した静電気火花が、周囲の可燃性ガスや細かい粉塵に着火するリスクがあります。
2. 結露や雪による「水濡れ」と蓄熱
屋外保管で一番怖いのが、雨や雪による水濡れです。
廃プラスチックに汚れ(油分や食品残渣など)が付着している場合、水分を含むことで微生物が繁殖し、発酵熱が発生します。
フレコンバッグを高く積み上げていると内部の熱が逃げ場を失い(蓄熱)、最終的に自然発火に至ることがあります。
3. リチウムイオン電池の混入
季節を問わず最大の原因となっているのが、モバイルバッテリーや加熱式タバコなどの「リチウムイオン電池」の混入です。
冬場は積雪や凍結により、フレコンバッグにいつも以上の圧力がかかったり、作業時の重機による衝撃が加わったりすることで、混入した電池が発火するケースがあります。
冬場の火災を防ぐための4つの対策
では、具体的にどのような対策を行えばよいのでしょうか。
屋外保管における重要なポイントを4つにまとめました。
【対策1】水濡れ防止を徹底する(雨・雪対策)
「多少濡れても乾くだろう」は危険です。
特に汚れたプラスチックの場合は、水濡れが発熱のスイッチになります。
- 防水シートの使用: フレコンバッグの上から必ず防水シートをかけ、雪や雨の侵入を防いでください。
弊社では完全防水で雨ぬれを防げるUVスーパーカバーやFN1 SB1150UV フレコンキャップといったカバーをご用意しております。 - パレットの使用: 地面からの湿気や浸水を防ぐため、直置きせずパレットの上に保管しましょう。
保管後に移動することが多ければ、ボックスパレット (メッシュボックス) も有効です。

【対策2】「積み上げすぎ」をやめる
保管場所が狭いと、どうしても高く積み上げたくなりますが、これは蓄熱のリスクを高めます。
- 高さ制限: 3段以上の積み上げは避け、熱がこもらないようにしましょう。
- 離隔距離の確保: 万が一出火した際に延焼を防ぐため、フレコンバッグの山と山の間には十分な通路(空地)を確保してください。

【対策3】「リチウムイオン電池」の徹底排除
これは搬出元(排出事業者)での分別が全てですが、保管時にも注意が必要です。
- 目視確認: 袋の口を閉じる前に、異物が混入していないか再度確認する習慣をつけましょう。
- 衝撃を与えない: フレコンバッグを移動させる際、地面に強く叩きつけたりしないよう丁寧なハンドリングを心がけてください。
フレコングリップを装着すれば、フォークリフトのツメから滑り落ちてしまうことを防げます。
【対策4】放火対策と監視体制
自然現象が原因でない出火が起こる可能性もあります。
冬の屋外、特に夜間は人通りが減り、放火のリスクが高まります。
- センサーライトとカメラ: 人感センサー付きの照明や防犯カメラを設置し、「管理されている場所」であることをアピールしましょう。
- 整理整頓: 敷地境界付近に燃えやすいものを置かないことも、放火の抑止力になります。
もしもの時のために
対策をしていても、リスクをゼロにすることはできません。
冬場は乾燥しており、一度火がつくとプラスチックは爆発的な勢いで燃え広がります。
- 消火器の点検: 屋外に設置している消火器が雪で埋もれていないか、凍結していないか確認しましょう。
- 通報体制の確認: 夜間や休日に火災が発生した際、誰に連絡し、どう動くか、フローチャートを再確認しておきましょう。
冬場の廃プラスチック保管は、「乾燥による静電気」と「水濡れによる発熱」という、相反するような2つの要因に注意する必要があります。
- 雪や雨から守る(防水)
- 積みすぎない(放熱・延焼防止)
- 電池を混ぜない(発火源除去)
- 放火させない(防犯)
この4点を再度現場でチェックし、安全な冬を乗り切りましょう。
廃棄物の保管状況に不安がある場合は、早めに専門業者へ相談し、回収頻度を見直すことも一つの手です。




