ドラム缶からフレコンバッグへ|切り替える5つのメリットと向かないケース
粉体や粒状の原料、金属スクラップ、廃棄物などを「とりあえずドラム缶で」保管・運搬している現場は少なくありません。一方で、「空き缶の置き場所に困る」「重くて扱いづらい」「もっと安い容器はないか」というご相談も多くいただきます。
この記事では、ドラム缶の代わりとして使われることが多いフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)について、規格や公表データをもとに「切り替えるメリット」と「ドラム缶のままの方がよいケース」を整理しました。切り替えを検討する際の判断材料としてご活用ください。
ドラム缶とフレコンバッグの基本スペック比較
まずは両者の違いを一覧で確認しましょう。ドラム缶は、粉体・固体の保管によく使われるJIS Z 1600準拠の200Lオープンドラムを例にしています。

ドラム缶からフレコンバッグに切り替える5つのメリット
1.持ち運び・段取りがラクになる

空のときの重さは1/7以下!
JIS Z 1600準拠の200Lオープンドラム(板厚1.2mm)の質量は22.5kg。空の状態でも、一人で何本も移動させるのは負担の大きい重さです。
一方、フレコンバッグは1枚約2〜3kg。容量1,000L(ドラム缶5本分)クラスでも、ドラム缶1本の1/7以下の重さです。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、人力だけで扱う重量の目安を男性で体重のおおむね40%以下、女性はその60%程度としています。空容器の準備や片付けといった日常作業の負担を下げられるのは、見落としがちですが大きなポイントです。
2. 使わないときは折りたためて、置き場所がいらない

ドラム缶は空になっても大きさが変わらないため、「空き缶の置き場所」が常に必要です。フレコンバッグはポリプロピレンなどの柔らかい素材でできているため折りたたんで保管でき、在庫しておく場合も棚の一角に収まります。屋内のスペースが限られている現場ほど、効果を実感しやすいメリットです。
3. 角型なら床面をムダなく使える

円柱のドラム缶を並べると、缶と缶の間にどうしてもすき間ができます。円の面積をそれを囲む正方形の面積で割るとπ/4=約78.5%。つまり、ぎっしり並べても床面のおよそ2割は使えない計算です。
角型のフレコンバッグなら、置いた面積をほぼそのまま容量として使えます。中身を入れると多少ふくらむため実際の効率は内容物によって変わりますが、パレットや保管エリアを効率よく使いたい場合は角型を選ぶのがおすすめです(丸型のフレコンは、ドラム缶と同じく並べるとすき間ができます)。
4. 中身の量に合わせて容量を選べる
ドラム缶は200Lが基本ですが、フレコンバッグは約180〜2,100Lまで幅広いサイズがあります。「今のドラム缶と同じ200Lで置き換えたい」なら直径650mm×高さ650mmの650KR、「ドラム缶数本分をまとめたい」なら1,000Lクラス、というように、発生量や置き場所に合わせて選べます。
200Lクラスのフレコンでも、当店の商品は耐荷重1,000kgのものが中心。金属部品や土石など比重の高いものにも対応できます。
5. 容器のコストと「回収の手間」を見直せる
当店の200Lタイプは1枚1,925円(税込)から。安価なため、出荷先に納品した後に容器を返却してもらう必要がなく、空容器の回収にかかる運賃や手間を減らせます。ドラム缶の購入費だけでなく、「空き缶の回収・洗浄・保管・処分」まで含めたトータルの費用で比べてみてください。
強度は大丈夫? フレコンバッグの規格と「安全率」
「袋で1トンも大丈夫なの?」という不安をお持ちの方も多いと思います。フレコンバッグには国内外で規格が定められています。
- JIS Z 1651(非危険物用フレキシブルコンテナ)
繰り返しのつり上げ試験、積み重ねを想定した圧縮試験、落下試験などの性能試験が定められています。 - ISO 21898
1回使用(シングルトリップ)型は最大積載量の5倍、繰り返し使用(マルチトリップ)型は6倍の安全率が求められます。
このように、フレコンバッグは1回使い切りか、繰り返し使えるかで設計が異なります。オーストラリア・ニューサウスウェールズ州政府の安全ガイドでも、1回使用型には「fill once only(充てんは1回のみ)」の表示が必要で、再充てんしてはならないとされています。ドラム缶のように繰り返し使いたい場合は、繰り返し使用に対応した商品を選びましょう。当店の格安タイプも、生地・ベルトともにJIS基準に準拠した試験を実施しています。
ドラム缶のままの方がよいケース

フレコンバッグは万能ではありません。次のような場合は、ドラム缶を使い続けるか、専用品を検討してください。
- 中身が液体・泥水
織布のため液体の保管には向きません。水分を含むものは内袋付きの商品や、水切り・脱水用のフレコンをご検討ください。 - 消防法などの危険物
JIS Z 1651は「非危険物用」の規格です。危険物は法令に適合した容器を使用してください。 - 50℃を超える高温物
当店商品の限界耐用温度は50℃です。 - 鋭利な物・角張った物が多い
生地が破れるおそれがあります。厚手の生地の商品を選ぶか、充てん時に十分注意してください。 - 長期間の屋外保管
ポリプロピレンは直射日光で劣化が進みます。UV剤配合の商品やフレコンカバーを併用してください。
いきなり全部は替えない。「ドラム缶内袋」という選択肢

「今のドラム缶置き場や作業の流れはそのまま使いたい」という場合は、ドラム缶の内側にセットして使えるフレコンバッグがおすすめです。ドラム缶に入れたまま充てんし、フレコンだけを吊り上げて運搬・排出できます。
- Drum900KHR-C:直径550mm×高さ900mm、容量200L、耐荷重1,000kg。PEコーティング生地で粉漏れを防ぎ、底部から排出できます。
- Drum930KR:容量220L、耐荷重500kg。1枚1,892円(税込)とお求めやすいタイプです。
ドラム缶を「器」として使いながら、内容物の取り出しや輸送はフレコンで行う、という段階的な切り替えが可能です。
切り替えるときに押さえたい安全のポイント
- 使う前に必ず点検する
破れやベルトの切れがあるまま荷重をかけると、事故につながります。 - 吊り上げはクレーン・専用の吊り具で
労働安全衛生規則第151条の14では、フォークリフトなどを荷のつり上げといった本来の用途以外に使うことを原則禁止しています。2020年には、フォークリフトでフレコンバッグを運搬させていた事業者が、死亡災害をきっかけに書類送検された事例もあります。吊り上げ作業には、クレーン等の運転・玉掛けに必要な資格・教育も確認してください。 - 可燃性の粉体は静電気に注意
内容物と袋がこすれて静電気が発生し、条件によっては着火・爆発の原因になることが報告されています。可燃性の粉体を扱う場合は、静電気対策品をご相談ください。
ドラム缶の代わりにおすすめのフレコンバッグ

650KR
ドラム缶とほぼ同じ200L。φ650×650mmで天井の低い場所でも扱いやすい。耐荷重1,000kg。

750KHR
ドラム缶より一回り大きい300L。省スペースのまま、少し多めに入れたい方に。耐荷重1,000kg。

VRM-001
ドラム缶5本分の1,000L。100%バージン原料、投入口が大きく開くので資源物・廃棄物の回収に。
まとめ
- フレコンバッグは空のときドラム缶の1/7以下の重さで、折りたたんで保管できる
- 角型なら床面をムダなく使え、容量も約180〜2,100Lから選べる
- 安価なため返却不要で、空容器の回収コストも見直せる
- 液体・危険物・高温物にはドラム缶や専用容器を。迷ったら「ドラム缶内袋」で段階的に
「今ドラム缶で入れているこの中身は、フレコンに替えられる?」といったご相談も承っています。内容物・量・保管場所をお知らせいただければ、最適なサイズをご提案します。お気軽にお問い合わせください(TEL 06-6969-3632)。
参考資料
- 日本産業規格 JIS Z 1600 鋼製ドラム(日本規格協会)
- 日本産業規格 JIS Z 1651 非危険物用フレキシブルコンテナ(日本規格協会)
- NSW Government Single trip bulka bags
- Global-Pak Understanding the ISO 21898 FIBC standard
- 厚生労働省 職場における腰痛予防対策指針(群馬労働局)
- 労働新聞社 労働安全衛生規則 第151条の2〜第151条の15
- 労働新聞社 フォークリフトの用途外使用で送検 フレコンバッグを運搬させる 東大阪労基署
- 労働安全衛生総合研究所 フレキシブルコンテナの静電気帯電測定
- ふくろ屋ふくなが フレコンバッグとは




